50代独身(元無職)になりました

50代独身無職。最愛の父の死後、おひとり様の日常。

愚痴と切なさ

よく彼が親の愚痴を言う。

「ほんっとに頭に来るんだよ!!
役立たずって連呼するんだぜ!?」

自分の母のこと、父のこと。
仕事先の上司のこと。

最初は彼の気持ちに立って聞くけど、
ちょっと羨ましいと感じる。

関わり合いがあるからこそ起こる摩擦。

家族が当たり前にいることでの、
腹が立つことが起きるという幸せ。

いい気分ではないけれど
人間の家族がいないわたしからしたら

どんなSNS投稿キラキラ女子より
キラキラして見えることがある。

ある時はうざったいし、
ある時は面倒くさいこと。

わたしにも過去あったこと。

あったものを失くして
初めて知る感情。

物静かな父が
近所のコンビニに行く姿。

テレビを観て大笑いしながら
わたしにも観てよという母の声。

末期がんから来る重度の貧血で、
トイレに行くのもやっとな父の姿。

認知症により聖母から鬼に
変わっていく母の姿。

薬にも毒にもなる家族という存在。

嫌なこともたくさんあったのに
なぜなんだろう。

想い出になっていくごとに
美しく修正されていく。

感謝ばかり湧き出て来る。


わたしは人との境界線が曖昧だ。

彼や友人たちの家族の愚痴を聞くと

自分事で考え心配になり、
その場から離れても気になり、
そのことをずっと考えてしまう。

この年になり少しずつつだけど、

それらの愚痴を心配して
自分が色々動くことはないんだと
この人は幸せの中の愚痴なんだと

...人間関係の距離感がわかってきた。

人の愚痴は、自分事にし過ぎない。

母と娘の境界線が曖昧過ぎたまま
大きくなってしまった自分に何度も
言い続けないと、忘れてしまう。

愚痴は幸せの証。

喧嘩する家族が、愚痴を吐くほど
接する相手が居て羨ましいなあ。。

って思ってしまうわたし。

切なさが湧き上がる。

…仕方ないなこれは。

ここから一時でも離れることが、
美味しい物を食べるくらいしか
思いつかなくて。

はちみつとレモンを入れて
紅茶でも飲もう。